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SHALOCKMEMO 001〜050
2003/09/02〜2004/07/06

01 2003/09/02 Tue 11:14a.m.
 ノーラ・ロバーツ「聖なる罪」読了

ノーラ・ロバーツ「聖なる罪」読了。
 警察から捜査協力を依頼された精神科医テスと刑事ベンの活躍を描くサスペンス。
 「七つの大罪」をパクった連続殺人事件の犯人の動機がいまいちわかりにくいが,最後はハッピーエンドになるところがMIRA文庫。
 560頁の大作なので,どうしても途中中だるみが起こりがちなものだが,ベンの同僚やテスの祖父ライトモア上院議員の挿話が結構良い味を出しているため楽しんで読める。
02  2003/09/03 Wed 9:23p.m.
 サリー・ビッセル『ホワイトムーン』読了

 異色の女検事(チェロキー族の血をひく)メアリー・クローのサバイバルストーリーの第2弾「ホワイト・ムーン」読了。
 今回はカルト的な愛国的テロ集団との戦い。アパラチア山脈中のキャンプ場からの行き詰まる脱出劇。
 メアリーと恩師アイリーン・ハンナを最後に救おうとする少年トミー・ケイブの心情が強く表現されている佳作。
 結局メアリー,トミーの努力が報われるのか?が,サスペンスを最大に盛り上げるが,FBI捜査官ダニエル・セイファーのもたもたした捜査ぶりは,ちょっと造りすぎでは?
 ところで,原題が"A DARKER JUSTICE"に対して,「ホワイトムーン」という訳のわからない邦題は何?
 強いて言えば,メアリーの幼なじみジョナサン・ウォーキングスティックの新しい恋人がルース・ムーンという名前なので,それをもじっただけなのか?冬のキャンプ場から脱出を試みたときに見えた月が白く見えるから「ホワイトムーン」なのか?今ひとつ邦題の意味が不明。
 前作「人狩りの森」も読後にどっと疲れが出たが,今回も読後疲れが出る。ただ,すぐその後すがすがしい気分になるのも,作者の特徴に思える。
03  2003/09/14 Sun 0:45a.m.
ノーラ・ロバーツ「ホット・アイス」読了


 富豪の娘でインテリアデザイナー=ホイットニー・マカリスター
 泥棒ダグラス(ダグ)・ロード
 マフィアのボス ディミトリ
 その手下 レモ,バーンズ,バトレイン

 ホイットニーとダグがマリー・アントワネットの遺産を探してマダガスカル島を訪れての冒険譚。金持ちの娘でありながら,1セントに至るまできっちりとダグの借金をメモするホイットニー。泥棒でありながら手先の器用さだけではなく,抜群の記憶力と豊富な知識,サバイバルでの生きる力,料理の腕をもつダグ。いかにもマフィアのボスらしい小指が半分失っているディミトリ。ディミトリを恐れ,心酔している手下たち。それぞれの人物が生き生きと,現実感を持ってマダガスカルを舞台に動き回るジェットコースター・ストーリー。一瞬たりとも目を離すことのできない映画を見ているような作品。
 ノーラ・ロバーツの先を見通せないが,ぐいぐいと読者を引き込んでいくストーリーテリングは見事。育ちの違い,主義主張の違いで終始ぶつかり合いながら惹かれあっていくホイットニーとダグ。事件の解決後,離ればなれになってしまう二人。そして,後日談のように語られるエピローグに「うーん,うまい」と唸らせられる。お勧め。
標題の「ホット・アイス」 熱い氷はマダガスカル島の暑さとアイスクリーム王の娘ホイットニーを引っかけた題か。
04 2003/10/26 Sun 8:22a.m. 
 ノーラ・ロバーツ『ナイト・シールド』読了

 ノーラ・ロバーツ「ナイト・シールド」読了。長田乃莉子/訳 シルエット・ラブストリーム
 デンバー警察刑事 アリスン(アリー)・フレッチャー。デンバー警察署長ボイド・フレッチャーの娘にして刑事のアリーと,劣悪な家庭環境からかつては不良少年だったが自らの努力と才能で複数のナイトクラブを経営するようになった実業家ジョーナ・ブラックホークのラブロマンス。
 フレッチャー家は警察一家。ジョーナは恩人ボイドの娘に惹かれるが,手を付けてはいけないと自ら戒める。アリーの追っている事件に巻き込まれ,アリーを愛してしまう。ノーラのいつものパターンといってしまえばそれまでだが,アリーもジョーナに惹かれ,誘惑してしまう。エピローグで二人の間の子供をあやすジョーナ。ハッピーエンドである。
 常に危険に見舞われる刑事の職業をジョーナはどう乗り越えたのか? そこが書かれていない。
05 2003/11/02 Sun 3:54p.m.
 ノーラ・ロバーツ『スキャンダル 上下』読了

 ノーラ・ロバーツ『スキャンダル』読了。加藤しをり/訳 講談社文庫 上下巻
 テレビレポーターからキャスターへの道を目指すヒロイン,ディアンナ・レイノルズと敵役アンジェラ・パーキンス。2大ヒロインの性格の差をうまく際だたせている。ディアンナに執拗に絡んでいくストーカーの正体を最後まで伏せておくことで,サスペンス的興味を持続し,読者を飽きさせないストーリーテリングが見事。
 ディーとフィンのラブストーリー,ディーとアンジェラの女の戦い,フィンのレポートする湾岸戦争など,いくつかの横糸を見事に配している。1993年のノーラの傑作。
06 2003/11/19 Wed
 シャロン・サラ『スノー・バタフライ』読了

 シャロン・サラ「スノー・バタフライ」読了。“癒しの作家シャロン・サラの最新作”と帯にあるが,前訳書から1年ぶりの訳書。
 天涯孤独の女性チャイナ・ブラウンは幼少時から誰からも自らの美しさについて教えられず・・・まさしく「みにくいアヒルの子」。美しさというものは教えられないと自ら信じられないものなのか。
最後のどんでん返しも含め,かなり力の入ったビルドゥングス・ロマン。
07 2003/11/26 Wed 4:59p.m. 
 ノーラ・ロバーツ「白いバラのブーケ」読了

 ノーラ・ロバーツのマクレガー家シリーズ「白いバラのブーケ」読了。
 本編にリストを載せているが,ハーレクインでかつて刊行されたものをMIRA文庫で奇数月に刊行している。今回の「白い・・・」は,アメリカ・マクレガー家の当主ダニエルとその妻アンナの物語。
 プロローグでダニエルが交通事故で瀕死の重傷を負い,そこにダニエル,アンナ夫妻の子供たち,孫たちが集まる。ダニエルのそばで介護するアンナの懐古譚として,二人の結婚までの物語が語られ,エピローグで現在に戻るという設定。すでに事業家として成功したダニエルが医学生のアンナに一目惚れし,如何に結婚を承諾させたかということが延々と綴られるが,アンナが当時から女性としての自立心(頑固さと言うべきか)をもち,それが子供たちの教育に大きく影響を与えていったことがあちこちに語られる。
 「白いバラ」はダニエルがアンナに贈った花。それもダニエルらしく随所でキーワードになってくる。
08 2003/12/10 Wed 10:25p.m.
 ノーラ・ロバーツ『ぶどう畑の秘密 上下』読了

 ノーラ・ロバーツの扶桑社ロマンス。「ぶどう畑の秘密」上下,読了。
 イタリア,カリフォルニアに数世代にまたがるワイン醸造一家ジャンベッリのソフィアとマクミラン家のタイラーのロマンス。両家のできの悪い親戚が淘汰され,ソフィアの祖母テレーザ,母ピラーと女三代のロマンスも語られる。
最後のどんでん返しがあり,読み応えあり。
09 2003/12/10 Wed 10:30p.m.
 サンドラ・ブラウン「指先に語らせないで」読了

 新潮文庫版サンドラブラウンの最新刊「指先に語らせないで」読了。
 マッチョの休職中警官ウィック。暗い過去を持つ女性外科医レニー。家族から見放されて殺し屋になったロサーダのトライアングル。ロサーダの存在感,その圧倒的な自己中心的な考え方。文面からでさえすっかり伝わってくるレニーの色っぽさ。こんな友人なら願い下げにしたいウィック。三者の人物造形がすばらしい。
10 2003/12/16 Tue 6:34a.m.
 ノーラ・ロバーツ「新緑の風に誘われて」読了

 ノーラ・ロバーツの扶桑社ロマンス版魔女の島トリロジー1「新緑の風に誘われて」読了。
 アメリカ東部の伝説の島(17世紀に大陸から3人の魔女によって分離されたとされる)は,現代でも魔女の島と呼ばれてる。そこに集まる3人の女性たちのロマンスを描いた三部作。本書はその1。エアー,アース,ファイアーの3人の魔女を現代のネル,リプリー,ミアが体現する。ミアは魔女であることを自覚し,リプリーは魔女であることを否定し,ネルはそれに気づいてさえもいない。
 第1作でネルが魔女に目覚めてしまい,この後,リプリー,ミアをどのように物語にまとめていくのだろうか。作家としてはかなりの冒険ではないのか。でも3人が集まらないとサークルができあがらないことから,このような形になったのかもしれない。
 原題が・・・air,・・・earth,・・・fire となっていることから,誰がヒロインかすぐにばれてしまうが,わかりやすい。ロマンス小説の読者層を考えると,その方がよいのだろう。
11 2003/12/30 Tue 1:26p.m.
 ノーラ・ロバーツ「母なる大地に抱かれて」読了

 シリーズ第1作でやっと夫の魔手から逃れ,魔女に目覚めたネル。しかし夫の魔手は別の形でやってくる。ザックとの結婚でネルの妹となったリプリーがヒロインの第2作だが,ネルと元夫との確執が全編を覆っている。この確執がシリーズ全体を覆うのだろう。
 スリーシスターズ島を訪れる人の中に,世界中の超自然現象を研究するマックがいた。マックを愛しつつも自らの炎のような力を恐れるリプリーの心の葛藤が読み応えがある。後半語られるマックの出自。これで,この物語に大きな可能性が出てきた。第3作のミアの物語はまだ訳出されていないが,物語はどのような大団円を迎えるのだろうか。
12 2004/01/03 Sat 11:24a.m. 
 ノーラ・ロバーツ「ダイヤモンドは太陽の宝石」読了

 ノーラ・ロバーツの妖精の丘トリロジー1「ダイヤモンドは太陽の宝石"JEWALS OF THE SUN"」読了。
 シカゴで心理学の大学講師を務めていたジュードは教職を辞め,自らのルーツであるアイルランドのモードおばさんの家で6ヶ月間を過ごすことにする。101歳でなくなったモードおばさんの家には幽霊が住み,近隣にある墓所では妖精のキャラックが話しかけるなど,伝説と物語にあふれる地。
 1人称で語られるため,ヒロイン・ジュードの風貌や身体的な特徴は他人の口によって語られる。ジュードの目の色は青みがかった緑色だがそれが示されるのはなんと303頁。遠い親戚に当たるギャラガー家の長男エイダン,次男ショーン,末娘ダーシーの3人は個性豊かに描かれる。エイダンとジュードが結ばれることは冒頭から推測されるが,何度も肩すかしを食わされ,やっと最後の最後でジュードは結婚を承諾する。途中,妖精や民話・伝説,ジュードの日記や著作(はじめは論文のつもりで書いているが)が面白い。
 トリロジー2作目は次男ショーンが中心に描かれるが,音楽と料理を得意とするだけに楽しみ。
13 2004/01/06 Tue 0:14a.m. 
 ノーラ・ロバーツ 妖精の丘トリロジー2「真珠は月の涙」読了

 「アイルランドは詩と伝説の国,夢想家と反逆者の国だ。」と冒頭で述べられているように,ダブリン郊外の実在の村アードモアでパブを経営するギャラがー一家の3兄弟妹の次男,夢見がちなショーンと現実派のブレナ・オトゥールのロマンス譚。いずれ,ショーンとブレナが結ばれることは,冒頭から想像がつくが,なかなか二人の気持ちが高まってこず,読者はいらいらさせられることになる。作者ノーラはそれをあたかも楽しんでいるかのように,二重三重に垣根を巡らす。ここで飽きてしまうか,手に汗を握るかでロマンス小説を好むか,嫌うかがはっきりしてくるのではなかろうか。
 アードモア村のパブ・ギャラガーにも次第に変化が生まれそうなところで結末を迎えており,次作への期待をいやがおうにも高めている。
14 2004/01/12 Mon 11:36a.m. 
 ノーラ・ロバーツ「スタニスラスキー一家シリーズ」読了


 ノーラ・ロバーツの大河小説「スタニスラスキー一家シリーズ(ハーレクインスペシャルエディション)」読了。
 ウクライナ系移民ユーリとナディア夫妻の4人の子供たち,長女ナターシャ,長男ミハイル,次女レイチェル,次男アレックス,そしてナターシャの夫スペンスの連れ子フレディーとレイチェルの夫ザックの義弟ニックの5組のロマンス。次々と増えていく家族の物語。5巻の冒頭で登場するフレディーは小学校に入学するところ。最終巻ではフレディーは24歳になっている。
 ロマンス小説のパターンである大家族主義がウクライナ系移民というフィルターを通して10数年間に次々に成功していく様子で示される。作者自身がアイルランド系で大家族主義。アメリカでは如何にノスタルジックに大家族主義が好まれるかの証左。
 タイトルは「月が微笑む夜に('90)」「レディーを誘惑('91)」「レイチェルに夢中('93)」「この愛は終わらない('94)」「ずっとあなただけを('97)」の5巻。
15 2004/01/14 Wed 08:00a.m. 
 リンダ・ハワード 「夜明けのフーガ」読了


 リンダ・ハワード(MIRA文庫)「夜明けのフーガ」読了。帯には『リンダ・ハワードが綴る大人の愛の物語』とある。リンダ・ハワードが綴るとどんな大人の愛になるのかと期待を込めて読み始め。
 で,ヒロインのディオンヌの初婚の失敗。それをセラピーの対象であるブレイクがどのように切り崩していくか。それがひたすら綴られていくのだが。それよりも,ブレイクの妹,セリーナと夫リチャードの関係の方が興味有り。
 最後にブレイクがディオンヌを訪ねていくところ,読みどころはこれぐらいかなぁ・・・。
16 2004/01/25 Sun 09:2p.m.
 ジェイン・アン・クレンツ 「迷子の大人たち Lost & Found」読了


 ジェイン・アン・クレンツ(二見文庫)「迷子の大人たち」読了。
 装飾美術(アンティークな家具や工芸品など)のコンサルタントをするキャディとマック。大叔母譲りの美術品の真贋に独特なカンをもつキャディと,データを収集することで美術品を追跡することをビジネスとするマック。おそらく作者としては相反する二人のビジネススタイルを対比し,その二人が一目で惹かれあっていくという設定をねらったのであろうが,素人にはその違いは余り明確ではないようで,二人の対比はどうもはっきりしない。
 泳ぎが達者なはずの大叔母ヴェスタが自宅のプールでおぼれ死んだことを不審に思ったキャディは一家の誰かが大叔母の死に関わっているのではないかと疑いをもつが,それを証拠立てる手がかりは皆無。マックが偶然救ったコンピュータの天才(ビル・ゲイツを想起させる)の助けを借りてデータを集めていく。幼少時のトラウマから泳ぎにショック症状をもつキャディが水中から懸命に脱出しようとしたり,一族の公認会計士と犯人らしい男の会計上の証拠を追っていくマックだが,これも専門的すぎて,素人にはちんぷんかんぷんであり,ストーリーをだれさせている。最後はキャディのカンがマックのデータと同じ犯人を指し示すことになるのだが・・・。
 美術界・財界の蘊蓄はどうも苦手。
17 2004/01/30 Fri 08:00a.m. 
 ノーラ・ロバーツ 「マーゴの新しい夢」読了


 ノーラ・ロバーツ(扶桑社ロマンス)ドリーム・トリロジー1「マーゴの新しい夢 Daring to Dream」読了。
 ホテル王テンプルトン家の3人娘ローラ,ケイト,マーゴをヒロインとする3部作ドリーム・トリロジーの第1部。テンプルトン家の家政婦アニーの娘マーゴ。そんなマーゴをトーマスとスーザンのテンプルトン夫妻は実の娘ローラと同じように育てる。実の母アニーも同居しているのだから,母が二人いるようなもの。実の母アニーは厳しく,スーザンは愛情込めて,理解者としてマーゴを育てるが,奔放で絶世の美しさをもつマーゴは自らの美しさを生かすために家を出てモデルとしての道を目指す。ヨーロッパで成功したものの,不倫相手にだまされ,一文無しになってテンプルトン家に帰ってくる。テンプルトン家の両親はヨーロッパに移り住み,テンプルトンハウスにはローラの一家とケイトが住んでいるが,ローラ夫妻は離婚の危機を迎えている。「装飾美術(アンティークな家具や工芸品など)」も含めて自らの衣装や小物などを売る店「プリテンシス」を開店し,自立を図っていこうとするマーゴに周囲の人々がかかわっていく,マーゴのビルドゥングス・ロマンス。えっ,それだけ?ロマンスは?
 いやいや,ヒーローとして登場するのがなんと,テンプルトン家の長男ジョシュア。幼い頃から一緒に育ち,しょっちゅうケンカばかりしていたマーゴとジョシュアだが,ジョシュアはいつの頃からかマーゴの美しさに惹かれていた。二人がいつ本物の愛に目覚めていくか,最後まで読者の興味を引っ張っていく。ノーラ・ロバーツはここがうまい。
 次作はテンプルトン家の遠縁の娘ケイトの物語。マーゴとは正反対で勉強や数字が好きで,自らの頭脳で生きていこうとするケイトの自立はどう図られていくのか。そして第3作は離婚した愛情にあふれるローラがどう再生していくのか。この3部作は自立と再生のシリーズ。
18 2004/02/05 Thu
 ノーラ・ロバーツ 「ケイトが見つけた真実」読了


 ノーラ・ロバーツ(扶桑社ロマンス)ドリーム・トリロジー1「ケイトが見つけた真実 Holding th Dream」読了。
 第2部では,マーゴとジョシュアは結婚している。仕事フリークのケイト。常に胃酸過多で苦しみ制酸剤をかかせない。テンプルトン家の遠縁だが,父の横領の疑いを疑惑として胸に抱えたまま,自らが公認会計士の会社から疑惑を受け解雇されてしまう。ケイトをローラ,マーゴ,ジョシュアが支援するが,テンプルトン家のホテルの重役バイロン・デウィットがケイトを励まし,支えていく。
 マーゴとは対照的なケイト。しかし,その飾らない魅力に満ちあふれた1作。
19 2004/02/07 Sat
 ノーラ・ロバーツ 「海辺の誓い」読了


 ノーラ・ロバーツ(扶桑社ロマンス)シーサイド・トリロジー1「海辺の誓い sea swapt」読了。
 3部作シーサイド・トリロジーの第1部。レイ=クイン,ステラ=クイン夫妻の養子となり育てられたキャメロン,イーサン,フィリップの3兄弟。スピード狂で様々な種目レースで世界を飛び回るキャメロン。チェサピーク湾の小さな海辺の町で漁師として生活している寡黙なイーサン。広告会社の重役としてボルチモアに住むフィリップ。性格も生活も異なる3人に共通しているのは,幼い頃に両親に虐待を受け,傷ついているところをクイン夫妻に救われ養子になったこと。小児科医ステラはすでに故人となり,一人暮らしをするレイが交通事故で命を失う。事故だったのか,自殺だったのか。その疑惑を一層複雑にしているのは10歳のセス・デローターの存在。
 レイはセスを養子にしようとし,実の母に多額の金を送っていることから,実子ではないかという疑惑もある。そんなレイの不審な行動にも関わらず,3人兄弟はレイの無実を信じ,セスを本当の兄弟として守ろうとする。セスのソーシャルワーカーは美貌のイタリア系アンナ=スピネッリ。キャメロンとアンナは惹かれあうが,アンナも幼少時のトラウマを抱えている。
 家族とは何か,家族にとって大切なものは何か,幼い頃受けた心の傷はいかに人間の生涯に大きな傷を負わせていくものか。そしてその傷を人はどのようにして乗り越えていくのか。大きなテーマを扱った3部作であり,3部作を通じて成長していくセスから目が離せない。
20 2004/02/10 Tue
 ノーラ・ロバーツ 「愛きらめく渚」読了


 ノーラ・ロバーツ(扶桑社ロマンス)シーサイド・トリロジー2「愛きらめく渚 Rising Tides」読了。
 3部作シーサイド・トリロジーの第2部。イーサンは3兄弟の中でももっとも物静かで漁師として生計を立てている。週に1〜2回家の掃除に来ているグレース・モンローは,×1で子持ちだが,イーサンは養子になった頃からグレースをずっと見守ってきた。料理も得意なグレースとその娘オーブリーはセスも大好きになる。なにごともゆったりと進めるイーサンがいつグレースに結婚を申し込むか,そのきっかけは何か。セスの母親グロリアはどこまでやってきているのか。
21 2004/02/11 Wed
 ノーラ・ロバーツ 「明日への船出」読了


 ノーラ・ロバーツ(扶桑社ロマンス)シーサイド・トリロジー3「明日への船出 Inner Harbor」読了。
 3部作シーサイド・トリロジーの第3部。フィリップは3兄弟の中でももっとも都会派。広告会社の重役として,広告コピーを作成している。フィリップが魅せられていくのはなんとセスの母親グロリアの父親の違う妹シビル・グリフィン。なんでも分析してしまう心理学者のシビル。理屈っぽいが姉のグロリアとは正反対の性格。あえてそのような妹を配することで作者はセスが実の母親から逃れたいと思っていることを正当化している。グロリアが3兄弟やアンナ,グレースと対決。セスの運命は。
 フィリップの幼いときからの特技がシビルとの関係を進めていく中で,セスが家族の中にとけ込んでいくのか。大団円というよりもフィリップとシビルの関係で終わるところが,スマートでいい。
22 2004/02/15 Sun
 サンドラ・ブラウン 「侵入者」読了


 サンドラ・ブラウン(MIRA文庫)「侵入者 Honor Bound」読了。
 家に帰ったら突然知らない人がいて,それがなんと脱獄囚。そんな日常とは異なる状況におかれたら人はどうするだろうか。冒頭からそんな興味をもちながら一気に読めてしまう快作。写真家のエスリン・アンドリュースはいわゆるWASP。脱獄囚のルーカス・ルレイウルフは混血のネイティブ・アメリカン。ルーカスに拉致されてエスリンはルーカスの祖父の家まで同行させられる。ルーカスの脱獄の理由は何か。再度逮捕されたルーカスが刑を終えてエスリンの元を訪れたとき,驚愕の事実が。
23 2004/02/20 Fri
 ノーラ・ロバーツ 「愛の国コルディナ1」読了


 ノーラ・ロバーツ,ハーレクイン・プレゼンツ(PB13)作家シリーズ「愛の国コルディナ1 Affair Royal 1986」読了。フランスとスペインの国境付近の地中海公国「コルディナ」(架空の国)の王室一家の物語。
 大公アルマン。長女ガブリエラ(ブリィ)。長男アレックス。次男ベネット。
 第1巻「ムーンライト・パレス」では長女ブリィが誘拐から発見され,記憶を失い,その事件の調査のため大公の旧友の息子リーブがアメリカからやってくる。ブリィが記憶を取り戻せるのか。誘拐犯人は誰か。リーブとの恋の行方は。サスペンスあふれる作品。
 第2巻「華麗なる幕開き」は7年後。リーブとブリィはすでに4人の子どもの両親となっている。長男アレックスとブリィの親友クリスティーナ(クリス)の妹イブは互いに惹かれあっていながら,王室の皇太子とアメリカの富豪の娘という身分の差をどう乗り越えるのか。大公家を恨み牢獄から脅迫を続けるデュボクのたくらみは成功するのか。
24 2004/02/22 Sun
 ノーラ・ロバーツ 「プリンセスは休暇中」読了


 ノーラ・ロバーツ,ハーレクイン・シルエット・スペシャル・エディション(N1000)コルディナ・シリーズ「プリンセスは休暇中 Cordina's Crown Jewel 2002」読了。地中海の架空の公国「コルディナ」の王室一家のシリーズ。
 長女ガブリエラと夫リーブの4人の子どもたちも成長し,すでに次女のアドリアンヌは結婚している。長女のカミラはコルディナの宝石と呼ばれ公妃としての公務に明け暮れる毎日。その美しさから常に週刊誌に登場し,パパラッチに追われている。ノイローゼになりかかり,息抜きにレンタカーで飛び出したカミラは雨の中道路に飛び出した鹿をよけようとして路側の溝に車をつっこんでしまう。たまたま通りかかったのはボロトラックで通り過ぎた汚れた男。
 やがて,ディレイニー(デル)の仕事の考古学に興味をもったカミラは生涯をかけて夢中になることを見つける。いわば自分探しの旅に出たカミラの自己実現の物語。
25 2004/02/29 Sun
 ノーラ・ロバーツ 「光と闇のカーニバル」読了


 ノーラ・ロバーツ,ハーレクイン・シルエット・スペシャル・エディション(N800)マクレガー家シリーズ「光と闇のカーニバル The Winning Hand 1998」読了。マクレガー家シリーズ。MIRA文庫版がその後なかなか出ないので,たまたま手に入ったシルエット・スペシャル・エディションで読む。
 とにかくこのシリーズは読んでいて元気が出る。ダニエル・マクレガーの「母さんに・・・」の台詞にはニヤリとさせられ,葉巻を片手に賭トランプに興じる一家の様子,大家族の信頼関係と,アメリカが失ってきた,しかし脈々と流れるアイルランド人の頑固さが存分に描かれている。
 今回のヒロインヒーローは,末娘セレナの息子ロバート・マクレガー・ジャスティス,通称マックとマックの管理するカジノを訪れた小説家ダーシーの物語。小柄でやせっぽちのダーシーにマックは惹かれる。ノーラ・ロバーツのどのシリーズにも美男美女,しかしハッとするような美男美女と個性的な美男美女が登場するのが普通だが,このダーシーはいわゆる普通の女の子。その頑固さは肉体的に恵まれていないことに対する劣等感から来ているようだ。このようなヒロインは珍しいだけにダーシーの運命,生き方に感情移入できる。
ハーレクイン・シルエット・スペシャル・エディションの800号を飾る傑作。
26 2004/03/05 Fri
 ノーラ・ロバーツ 「愛する予感」読了


 ノーラ・ロバーツ,ハーレクイン・ラヴストリーム(LS175)「愛する予感 Mind Over Matter 1997」読了。
 特殊能力を持つ親子。ロマンス小説の一つのパターンとして,凡人がもっていない特殊な能力(例えば人の心が読めるとか,未来が見えるとか)をもつ人々が描かれる。この作品では予知能力を持ちながらそれを人を助けることとして喜んで携わっているクラリッサとその実の娘A・J・フィールズの二人がヒロイン。親子互いがリンクして物語が進行する。しかし,クラリッサの作る料理と来たら・・・というおまけ付き。”Matter”という題名の意味するところが読むにつれて明らかになってくる。「ロマンスは,えてしてそこに存在しないものを人に見させるものよ。舞台やスクリーンのなかのイリュージョンは好きだけど,実生活には不要だわ(p189)」というA・Jのことばが作者の主張を感じさせる。あとはフツーのラブロマンス。
27 2004/03/13 Sat
 ノーラ・ロバーツ 「不機嫌な隣人」読了


 マクレガー家シリーズ「不機嫌な隣人」(シルエット・スペシャル・エディション N848)読了。
 マクレガー家にとっては縁戚に当たるキャンベル家(グラントとジェニー)の娘シビルの物語。人気漫画家(新聞連載ものを職業とする)シビルのアパートの向かいに引っ越してきたミスター・ミステリアス(普通なら「謎の男」とでも訳すところだろうが)ことプレストン・マックウィンは,ダニエル・マクレガーが孫娘シビルのために送り込んだ花婿候補。シビルはそれを知らずに次第にプレストンに惹かれ,二人は深い関係になる。寝物語にこの事実を聞いたシビルだが,その時の幸福感に,この事実の意味に気付かない。そして,その意味するところに気づいたとき深く傷つく。 人に親切にせずにいられず,おしゃべりの止まらない,シビルの性格・行動は読者に「そんな娘が今時いるのか」と思わせるような爽やかさと,感情移入を誘う。いつのまにかシビルの心で周囲を見てしまうようなキャラクター。 最後に二人の関係はどこで修復されるのか。最後まで目を離せないストーリーになるところは,さすがノーラ。標題からは思いもよらないしゃれた小品に仕上がっている。原題の"The Perfect Neighbor"をもう少しうまく訳せなかったものか。ちなみに訳者は平江まゆみさん。もっとも邦題をつけるのは,編集部かもしれないが。
28 2004/03/14 Sun
 サンドラ・ブラウン 「真夏のデイドリーム」読了


 サンドラブラウン「真夏のデイドリーム Tiger Prince」(MIRA文庫)読了。
 ノンシリーズ。国務省の事務職員カレン・ブラックモアは両親をはやくに亡くし,16歳の妹を有名私立学校に入れている。仕事上のミスを上司に指摘され,1週間の休暇をとるよう進められ,ジャマイカに休暇旅行へ。
 そこで会ったのは,すばらしい肉体のお・と・こ。あとはその男性が何者かだけが読者の興味を引くが,それもすぐにばらされてしまう。ヒロイン=カレンが彫刻に才能をもち,ヒーロー=デレクのアラブ馬の像を造る。それをもっとストーリーに生かせなかったものだろうか。あまりにハッピーエンドでひねりのない作品。ヤングアダルト向けか。
29 2004/04/07 Wed
 リンダ・ハワード 「ダンカンの花嫁」読了


 リンダ・ハワード「ダンカンの花嫁 Duncan's Bride」(ハーレクイン)読了。
 マデリンとロバート。直接血のつながりのない兄妹の連作「愛なき誘惑」の第1作は妹マデリン・サンガー・パターソンと前妻に深く傷つけられた牧場主リースのロマンス。今ならばインターネットが媒介する男女の出会いが普通になりつつあるが,アメリカのモンタナ州で最も近くの町まで30Kmという片田舎に住むリース・ダンカンは花嫁募集の記事を新聞に出す。義兄の会社で単に雇われているだけのマデリンは思い切ってこの通販花嫁募集に応募する。「通販花嫁」という訳語は一般的だろうか?>平江さん。
 互いの一目惚れ,そして二人は一緒に住むが,互いの心からの愛情はいつ成立するのか,最後の最後まで読者を引っ張っていく。結婚という形式が互いの尊敬や愛情を生むのではなく,夫婦の愛情はいくつかの試練を乗り越え,互いを成長させて初めて成立していくというリンダ・ハワードのメッセージ性にあふれた作品。
30 2004/04/11 Sun
 リンダ・ハワード 「誘惑の湖」読了


 リンダ・ハワード「愛なき誘惑2 誘惑の湖 Loving Evangeline」(ハーレクイン)読了。
 マデリンとロバート。直接血のつながりのない兄妹の連作「愛なき誘惑」の第2作は兄ロバート・キャノンと前夫を結婚式翌日,同乗していた車の交通事故で失って深く傷つけられたマリーナ経営者エヴァンジェリン(エヴィー)・ショーのロマンス。
 エヴィーは南部アラバマ州でマリーナを経営する。ロバートの傘下の系列会社で国家的な機密に関するプログラム流出事件が起こり,その関係者としてエヴィーが浮かび上がる。FBIと協力して事件を追うロバートだが,エヴィーに惹かれてしまう。エヴィーもロバートを見た瞬間,夫を交通事故で亡くしてから12年間,男性とデートもしたことがなかったのだが,自分がロバートを愛してしまっていることに気付く。
 エヴィーを事件の関係者と見るロバートはエヴィーを次々に経済的に追いつめていくが,エヴィーはそれを自分の財産を犠牲にすることで次々に乗り越えてしまうため,ロバートはエヴィーの疑いをなかなか捨てられない。その謎が犯罪の現場を押さえる水上での冒険活劇まで読者を引っ張っていく。前作と同じく,結婚という形式が互いの尊敬や愛情を生むのではなく,夫婦の愛情はいくつかの試練を乗り越え,互いを成長させて初めて成立していくというリンダ・ハワードのメッセージはシリーズ化され,再度紡ぎ上げられている。
31 2004/04/18 Sun
 シャロン・サラ 「夜は別の顔」読了


 シャロン・サラ「夜は別の顔 Amber by Night」(ハーレクイン・シルエット・ディザイアD-1032)読了。
 表題はからするとサスペンス風だが,なんのことはない車を買うために夜にバーでバイトをする図書館司書の物語。ジョージア州チューリップ(実在の町かどうかは不明)はサバナの近郊の田舎町。南部の保守的な町の図書館司書のアメリア・アン・ビーチャムは両親を亡くし,ウィルヘミーナ,ローズマリーの二人の大叔母と一緒に暮らしているハイミスで,昼は髪をひっつめ,目立たないおとなしい服装でめがねをかけという典型的なハイミス姿で図書館司書をしているが,ロマンス小説を愛読し,タイラー・サヴィジという土地の色男にあこがれている。叔母たちの古い車の調子が悪く,新車を買うためにアンバーと名前を変え,夜のアルバイトをしている。全く異なる人格を服装を替えることだけでそんなに簡単に実現できるのだろうか,ちょっと底が透けてしまう設定だが,アメリアやタイラー,二人の叔母たち女友達レイリーン・ストリンガーなどがやさしい性格を随所に魅せ,物語が進行していくことで,読後感はさわやかである。アメリカ南部の田舎町では今でもこんな風なのかなと思わせる人情物語。昨年のシャロン・サラの新刊の翻訳。
32 2004/04/25 Sun
 シャーロット・ラム「孤独な夜の終わり」読了

 シャーロット・ラム「孤独な夜の終わり No More Lonely Night」(ハーレクインR970)読了
事件記者シーアンは休暇の帰途道に飛び出してきた花嫁衣装のアネットを車に乗せる。それはシーアンとキャス・ウィリアムスの運命の出会いの始まりだった。運命的に出会う男女の結ばれるまでを描くロマンス。
 家族のいろいろな課題を抱えたヒーローらしくないキャス。ヒロイン,シーアンはなぜキャスに惹かれていくのだろうか。またどのように自分の心との折り合いを付けていくのか。 編集長レオから出される難題にどう答えるか。シーアンの反骨精神がさわやかさを感じさせる1988年のシャーロット・ラムの中編ロマンス
33 2004/05/03 Mon
 アイリス・ジョハンセン「光の旅路 上/下」読了

 アイリス・ジョハンセン「光の旅路 上/下 The Tiger Prince」(二見文庫)読了
 19世紀後半イギリス統治下のインド帝国の一藩国を舞台に,自分を娘と認めてくれない父に自分を認めさせようと鉄道敷設を仕事とするジェーン・バーナビーと金の掘り出しに命をかけるスコットランド人の山師リュエル・マクラレンの冒険譚。
 リュエルの兄イアンとその妻マーガレット,金細工師カールタウク,悪役であるマハラジャの王子アブダルなど,個性豊かなキャラクターを配し,運命に翻弄されるジェーンとリュエルの恋,イアンとマーガレットのロマンス,リー・スンとディラムのやりとりなど, 複数の人間関係が横糸となりシニダー島での攻防へと一気にストーリーは展開する。足が悪いことで常に人の陰に隠れていたリー・スンが,象と信頼関係を築くことで自信をもち変化していくところ,カールタウクがマーガレットに手伝わせて金細工を作る過程が読み応えあり。
34 2004/05/16 Sun
 リンゼイ・マッケンナ「愛を誓う空」読了

 リンゼイ・マッケンナ Lindsay McKenna「愛を誓う空 Heart of Stone」(HQPS-26)読了
 リンゼイ・マッケンナは気象学者として海軍に籍を置いていたり,消防士をしていたことがあるなどの経歴をもっており,ネイティブアメリカンの出自でもある異色の女流冒険作家。
 南米のジャングルの中で麻薬王に対抗する武装ヘリコプター部隊を率いるマヤをヒロインにマヤの双子の妹インカや秘密のヘリコプター基地,秘密結社クラン,麻薬王ファーロとのヘリコプター・チェイサーなど,冒険小説としての読み応えがある。本作は<ペルセウス・シリーズ>として前作ではマヤの妹インカがヒロインであるようだ。マヤとデイン・ヨークとのロマンスは次作への布石となっている。
35 2004/05/20 Thu
 リンダ・ハワード「ダンシング・ラブ」読了

 リンダ・ハワードのMIRA文庫新刊「ダンシング・ラブ Tears of the Renegade」(1985)読了
 淡い栗色の髪に三連の真珠のネックレス,パーティでクリーム色のシルクのドレスを軽やかに揺らしながら歩くスーザン。ならず者といった顔立ちで濃い眉とかげりのある水晶のような淡いブルーの人を誘い込むような瞳のコード。アメリカ南部,地元の有力者ブラックストーン家の嫁スーザンは夫を事故で亡くした未亡人。家を離れていたコードとはあるパーティで初めて会う。あとはお決まりの惹かれ合うのになかなか結ばれない二人のロマンス。スーザンの義弟プレストンが二人の間に絡み合うがいまいちひねりが効いていないため,プレストンの存在は強烈ではない。しかも,途中で嵐や竜巻が二人を襲うとあっては,まさにロマンス小説の王道!!
 エピローグはそれに輪をかけてありきたりの結末ではあるものの,さすがリンダ・ハワードだけあるのは,スーザンとコードの人物造形と義母のエマジーンの存在はしっかり描かれている。
36 2004/05/26 Wed
 シェリル・ウッズ「ボストンの天使」読了

 シュリル・ウッズのシルエット・スペシャル・エディションN-1012「ボストンの天使 Ryan's Place」(2002)読了。この作家の物は初めて読む。ロマンス小説の王道の一つである離ればなれになった家族を再発見していくシリーズ物「ディバニー兄弟の孤独 1」。テーマは大変アメリカ的であるが,アイルランドが郷土になっている。
 ボストンでパブを営むライアン・ディバニーの店先で車がパンクしたマギー・オブライエンは経営学の修士号をもつ美しい才媛だが,毎日同じ仕事に嫌気がさし,故郷に帰る途中だった。幼い頃に両親に捨てられ家族を信じようとしないライアンはマギーに惹かれながらも,愛のことばを口にしようとしない。一方弟ショーンの居所がわかるが,なかなか会いに行く決心がつかないライアンをマギーはいかに説得するのか。その過程がハラハラドキドキ。そのあれやこれやの手法で後半まで読者を引っ張る腕は,かなり確かな感じがする。
次作の翻訳が楽しみ。
37 2004/06/02 Wed
 バーバラ・フェイス「囚われの妻」読了

 バーバラ・フェイス,ハーレクイン・リクエスト HR-70 「囚われの妻 Long-Lost Wife」(1996)読了。
 シェリル・ウッズ「愛は故郷の町に」と本編を収録したハーレクイン・リクエスト「再会の物語」を入手。先に本編を読了。この作家の物は初めて。ロマンス小説のパターンの一つである記憶喪失もの。アメリカ南部からカリブ海にまたがる舞台設定,記憶喪失,夫と名乗る男は本当の夫なのかというサスペンス的興味,そしてカリブ海に沈んだ沈没船は発見されるのかという冒険的要素と,てんこ盛りの物語。
 病院で目を覚ましたが自分の名前も思い出せないアナベル。しかも夫と名乗るルイスにも全く記憶がない。自分の意志とは関係なくルイスと二人きりでクルーザーでルイスの住む島に連れて行かれる途中,激しい嵐でクルーザーのマストもおれてしまう。ハラハラドキドキで始まり,いつアナベルの記憶が戻るのか,はたしてルイスとは何者,失われた沈没船は見つかるのか。つきない興味で最後まで引っ張る。
38 2004/06/05 Sat
 ノーラ・ロバーツ「アデリアはいま」読了

 シルエット・シリーズスペシャルセットで「アデリアはいま Irish Throughbred」(1981)読了。
 ノーラ・ロバーツの記念すべき第1長編。シルエット・ロマンス(L-56=1982訳)は絶版になっており,シリーズスペシャルセットとして,本編と「アイリッシュ・ローズ」のセット本が2002年8月に発売され,現在入手可能。
 伝説と妖精が息づき,頑固一徹のアイルランド娘アデリアは孤児となり叔父パディを頼って単身アメリカに渡る。ときおり見せるアデリアの「アイルランド魂」に惹かれていく牧場主のトラビス。二人の愛はいつかみ合うのか。まさにロマンス小説の楽しみを凝縮した珠玉の一冊。
 飾らないアデリアのキャラクターとアデリアを必死に守ろうとするトラビス,そして愛情溢れる叔父パディなど魅力的な登場人物とふんだんに出てくる馬や犬などの動物の姿に感動。“アデリア”は今シーズンのナンバーワン・キャラクター!
39 2004/06/09 Wed
 シェリル・ウッズ「キスは炎のように」読了

 シルエット・スペシャル・エディションN-1016「キスは炎のように Sean's Reckoning」(2002)読了。
 シェリル・ウッズの「ディバニー兄弟の孤独 2」次男ショーンの物語。第1作「ボストンの天使」の最後で長男ライアンが探偵を雇って発見する弟ショーンは消防士。
 あるアパートの消火に上司の制止を振りきって老人を救助に火事の中に飛び込むショーンは親友ハンクの怪我と自らの火傷という犠牲を払う。別の火災に焼け出された法律事務所の受付係とレストランのウェイトレスとしてはたらくディアナ・ブラックウェルと息子ケビン,その友人ルビーとの邂逅から数週間がたっていた。
 前夫フランクに裏切られた心の傷をもつディアナと両親に捨てられた心の傷をいやせないでいるショーンがどのように互いの心の傷に立ち向かっていくのか。じれったいほどのすれ違いを通して二人の気持ちは通い合う。
 三男マイケルは今どこで何をしているのか。エピローグでライアンとショーン,マギーはマイケルに出会うために,旅立つ。
40 2004/06/10 Thu
 エマ・ダーシー「ソング・フォー・ユー」読了

 ハーレクイン・クラシックスC-537「ソング・フォー・ユー Song of the Wren」(1985)読了。オーストラリアのロマンス作家エマ・ダーシーのラブ・ストーリー。
 ジェニーは自宅でピアノとギターを教えている。下宿人で画家のトニー(アンソニー)・ナイトにクリスマスを家族と一緒に過ごそうと誘われ,そこでトニーの兄ロバート(ロブ)と出会い,一目で恋に落ちる。
 ロブは音楽関係プロデューサー。ジェニーのギターの弾き語りで歌う曲に惹かれ,一緒に未完成の曲を完成させる間に恋に落ちる。
 兄弟で一人の女性を愛してしまった場合,三角関係はどのような結末を迎えるのか。その興味で最後まで一気に読ませてしまう。物語はほとんどナイト家の家の中で進行していき,このまま舞台のステージにのせられるように描かれている。ナイト家の父親エドワード,母親アナベルは理想的な両親像,妹ミランダ,弟ピーターを含めたそれぞれの個性が十分に描かれている。大輪の薔薇が爽やかな読後感を誘い,余韻を残す。
41 2004/06/12 Sat
 ノーラ・ロバーツ「アイリッシュ・ローズ」読了

 ハーレクイン・シルエット・シリーズスペシャルセットで「アイリッシュ・ローズ Irish Rose」(1988)読了。ノーラ・ロバーツの記念すべき第1長編「アデリアはいま」の続編。「アデリア」から7年。1988年の出版。アデリアとトラビスは前作の最後に結婚し,その後2度アデリアの故郷アイルランドに行っているが,競走馬の買い付けに今回3度目の帰郷では,トラビスの近隣の牧場主バークを伴っている。
 アデリアの親戚の娘エリンは,田舎暮らしよりアメリカに渡って都会暮らしをしたいと望んでおり,渡米して金持ちと結婚したアデリアをうらやんでいる。バークの牧場の会計を担当するということで渡米するエリンだが,バークにプロポーズされ結婚する。周囲の上流階級夫人から金目当てで結婚したのではと当てこすりをされるものの「アイルランド魂」をもつエリンは,果敢に挑戦しようとする。競走馬をステークスで失格にされたバークの名誉を回復するために苦手な厩舎に近づくエリンに襲いかかるトラブルとは?後半は冒険小説調に。
 “アデリア”に比べ,“エリン”のキャラクターはかなり落ちるものの,「アイルランド魂」は見事に生きている。
42 2004/06/18 Fri
 ノーラ・ロバーツ「マクレガーの花嫁たち」読了

 MIRA文庫で「マクレガーの花嫁たち The Macgregor Brides」(1997)読了。
 待ちに待ったノーラ・ロバーツのマクレガー・シリーズ。番外編の「反乱」を除くと第6弾。原作は1997年の出版。ダニエルとアンナ=マクレガー一族の第3世代。第2世代のアラン,ケイン,セレナのそれぞれの娘たちをヒロインとした3中編を一冊で読めるお得な作品集。
 ケインとダイアナ夫妻の娘ローラは弁護士。お相手はセキュリティ会社経営のロイス・キャメロン。セレナとジャスティス=ブレードの娘グウェンは研修医。お相手はミステリー作家ブランソン・マクガイヤ。そしてアラン,シェルビー夫妻の娘ジュリアは不動産業。お相手は建設業者のカラム・マードック。
 それぞれの美女たちにお相手を探し,引き合わせるのはダニエル。ワンパターンといえばワンパターンだが,それぞれのヒロインがどのように恋に落ちていくかは興味を惹くし,最後まで一気に読ませてしまう,シリーズものの醍醐味を感じさせる。
 前作「白いバラのブーケ」からだいぶたっており,予定では1ヶ月おきに出る予定だったがどうなっているのだろうか。第1弾から第3弾までは森あかねさんの訳だったが第4弾以降は毎号訳者が変わっている。このあたりに訳者との契約関係などで遅れる原因があるのだろうか。次作は「・・・花婿たち」。すでに第9弾,第10弾はHQで読了済みだが,MIRA文庫版で再読することになるだろう。
 ダニエルはすでに90歳ながら矍鑠としている。また長男アラン=マクレガーは米大統領をすでに引退し,上院議員に戻っている。
43 2004/07/03 Sat
 ジャネット・デイリー「愛はワシントンの休日に」読了

 集英社文庫で「愛はワシントンの休日に A Capital Holiday 2001」(矢倉尚子/訳/テ05-07\648/p330/04.06.25)読了。いわゆる映画「ローマの休日」型ロマンス。舞台は首都ワシントン。大統領ウェイクフィールドは妻を亡くし,娘ジョスリンが事実上のファースト・レディ(ファースト・ドーター)を務めている。
 一日だけの休日が欲しいジョスリンは,祖母の協力を得て変装し,一人ワシントンの街へ出かける。相手役は新聞記者のタッカー。二人は定番どおり一目惚れに陥るが。サンタクロースに酷似した謎の老人が二人の仲を取り持つなど,工夫が見られる。
44 2004/07/05 Mon
 シェリル・ウッズ「あの日,恋におちて」読了

 シルエット・スペシャル・エディション(今月のヒロイン)で「あの日,恋におちて Kate' Vow 1993」(佐野 晶/訳/N-540\670/p220/94.07.05)読了。原題のKate's Vowは「ケイトの誓い」。Vowには結婚の誓いという意味もある。冒頭の結婚式の招待状からして,雰囲気を十分に醸し出しているし,最後は花嫁が花束を投げて,受け止めたのは誰かまで書いてあるので,内容は容易に想像がつく。
 男寡婦と10歳の一人息子。その双方から気に入られ,また自分からも両方を愛してしまうという万に一つもあり得ないような,逆に言うと理想的な物語。しかしなかなか互いに「愛してる」のひと言が言い出せなくて終盤まで引っ張るが,こうなると最後に持ち出されるのは天変地異か。案の定,地震が起こり・・・。
 ちょうど10年前に出た本で古書店で見つけた美本であるが,保存状態はなかなか良く,紙質が厚い。日焼けはあるものの一度読まれた程度だろう。表紙のヒロインの顔はいただけない。いかにもアメリカの女性弁護士という感じで両あごが張り,意地悪そうな外観と古い髪型(当時の流行だろうか)。でも目は夢見るようなぼうっとした表情が現れており,机の上にはナポレオンの騎馬像が描かれているのもユニーク。裏表紙の紅葉の中で男の子を肩車しているジーンズ姿の男性の遠景はよく描かれている。
45 2004/07/07 Wed
 シェリル・ウッズ「長すぎる片思い」読了

 シルエット・スペシャル・エディションでディバニー兄弟五部作の第3弾「長すぎる片思い Michael's Discovery 2003」(島野めぐみ/訳/N-1020\670/p220/04.07.05)読了。幼い頃両親に捨てられ,バラバラになったディバニー兄弟が長男マイケルの妻マギーの励ましにより次々に兄弟を取り戻していく五部作の第3弾。
 3男のマイケルは海軍特殊部隊で大怪我をし理学療法士で幼なじみのケリーからリハビリを受ける。今日は七夕。その日にふさわしい読了本となった。幼いときから憧れていた男性の心を虜にし,自立の道を歩ませるケリーのけなげさに拍手。原題は「マイケルの発見」。
エピローグの二人の結婚式には4男パトリックも顔を出し,次作への伏線となっている。
46 2004/07/10 Sat
 ダイアナ・パーマー「この恋,絶体絶命」読了

 ハーレクイン・プレゼンツでダイアナ・パーマーのテキサス探偵物語1「この恋,絶体絶命 The Case of The Mesmerizing Boss 1992」(上木さよ子/訳/PB-17\980/04.06.20)読了。原題は“催眠術をかける所長の事件”とでもなるだろうか。
 ヒューストンで探偵事務所を開いているデインの母と結婚直前でテスの父が事故死し,二人は義理の兄妹になる前に身寄りのない身になってしまうという想定。そんな偶然もあり得ないこともないだろうが,血のつながりのない兄妹が互いに気持ちを寄せ合うというのは,ロマンス小説の王道の一つだろう。
 前妻との間には憎しみしか残らず,子供ができないと思っていたデイン。二人が始めに愛し合ったときにテスは妊娠してしまう。さらに胎盤の異常で二人の子供は流産の危機に。次々にこれでもかと困難を突きつけていくことにより,テスとデインの運命に読者を引き込んでいく。
 デインの探偵事務所に勤めるテスの同僚たち,テスの親友のキット,デイン家の家政婦ベリルが存在感をもっており中でもテスの同僚ヘレンは名脇役。映像化されてもすばらしい作品になるだろう。
47 2004/07/10 Sat
 ダイアナ・パーマー「この恋,揺れて」読了

 ハーレクイン・プレゼンツでダイアナ・パーマーのテキサス探偵物語2「この恋,揺れて The Case of The Confirmed Bachelor 1992」(上木さよ子/訳/PB-17\980/04.06.20)読了。原題は“頑固な独身男の事件”とでもなるだろうか。
 この独身男は,ヒューストンで探偵事務所を開いているデインの所員であるニックのこと。妹の親友で幼なじみのタバサ(タビー)と結婚するまでのストーリー。タビーはニックの実家のあるワシントンDCの向かいの家に住んでいる大学教員。学位や家柄だけを気にする俗物の同僚ダニエルと婚約しているが,休暇で実家に戻ってきたニックに自分が疑われている大学内の盗難事件を調査して欲しいと頼む。元FBIのニックは同僚の女性捜査官の射殺事件で嫌気がさし,FBIをやめてデインの探偵事務所に所属した。心に深い傷と将来に対する絶望感をもっている。
 ほとんどがワシントンの大学と二人の家が舞台になっている。劇場での上演が可能な設定。果たして盗難事件の犯人は誰か。三角関係はどうなるのか。そして二人はめでたくゴールインできるのか。すれ違う二人の気持ちの行方は?
48 2004/07/16 Fri
 ダイアナ・パーマー「恋の花に敬礼!」読了

 ハーレクイン・シルエット・サマー・シズラー2004「真夏の恋の物語」でダイアナ・パーマーの「恋の花に敬礼! Garden Cop 2002」(小山マヤ子/訳/\1200/04.07.05)読了。原題は“園芸警官”とでもなるだろうか。
 FBI特別捜査官カートと向かいの家に住む検事補メアリー。100ページほどの中編だが,カートとメアリーの掛け合いのおもしろさ,カートの母マチルダと犬のビッグ・レッドがとても良い味を出している。そして,ラスト5行のエピローグが邦題の元になっており,とても洒落た一編になっている。
49 2004/07/16 Fri
 ヘザー・グレアム「パラダイスの一夜」読了

 ハーレクイン・シルエット・サマー・シズラー2004「真夏の恋の物語」でヘザー・グレアムの「パラダイスの一夜 A Night in Paradise 2002」(辻 早苗/訳/\1200/04.07.05)読了。原題どおり。
 フロリダでパラダイスという町で劇場を営むオーロラ・ベック。両親も夫も亡くし,祖母の世話をしながら18歳の娘を育てている。祖母のメアリーが養護施設で出会ったマイク・ウルフソンの孫マックスはニューヨークで劇作家をしている。夫の死後祖母の世話と娘を育てること,そして劇場を運営することで,デートもしたことのなかったオーロラだがマックスには妙なことから出会い,惹かれていく。劇作家同士の二人は協力して作品を完成させていくが・・・。
 ヘザー・グレアムはあまり読んでいないがサスペンス作家というイメージが強い。この一編も大人のロマンスの雰囲気が強い。
50 2004/07/16 Fri
 ジェニファー・ブレイク「夏至の魔法」読了

 ハーレクイン・シルエット・サマー・シズラー2004「真夏の恋の物語」でジェニファー・ブレイクの「夏至の魔法 Adam 2002」(江田さだえ/訳/\1200/04.07.05)読了。この作家の物は初めて。解説によるとルイジアナ州の旧家の7代目として生まれ,15歳で結婚,21歳で執筆活動を始めた,とある。1977年にニューヨークタイムスでベストセラーリストに初登場となる,とあり,25年以上にわたって作品を書き続けているようだ。
 不思議な作品である。120ページほどの中編だが,ぐいぐい引き込まれる。説明的なところが非常にスムースにストーリーに入り込んでおり,不思議な能力を持ったラーラがすぐ隣にいるように感じられる。しかも原題はヒーローのアダムになっているところがひねりが効いている。
 この作品で昨年9月から開始した「斜麓駆読書メモ」もちょうど50篇を数えた。一月平均5篇の目標ペースはなんとか超えそうだ。

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